16.1. 生物学と社会 : クリ胴枯れ病は、アメリカグリを絶滅させるか
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メイン州からジョージア州までの米国東部の森でかつて優占していた
アジア産の樹木の多くは、この真菌に対する抵抗性を持っているが、アメリアグリはもっていなかった
ほぼ25年間でこのクリ胴枯病により、実質上、約35億本のアメリカグリの成木のほぼすべてが枯れた 胴枯病による大量死滅にもかかわらず、アメリカグリはまだ絶滅していない
アメリカグリの幼木が古い根や切り株から芽を出しているのをみることができる
これらの木は成熟期に達する前に、胴枯病菌により枯れてしまうため、アメリカグリの森は繁殖や植生回復に至っていない
林学者たちは、生存している若い萌芽から得た遺伝子を使い、育種や遺伝子工学によって胴枯病耐性をもつ株を作り出そうとしている
胴枯病で栗の木は死に絶えるのか?農民はそう信じていない. 栗の木は燻り続け新た若芽を送り出す. 新たな病気がやってきて胴枯病菌に終止符を打つまで. - ロバート・フロスト「邪悪な流行の終焉」(1930) クリ胴枯病のような植物と真菌の間の有害な相互作用は、共生の異常な例
本章で植物と菌類の多様性を概観することにより、これら2つの生物界のメンバーは、互いの存在から利益を得る関係のほうがずっと一般的であることがわかるだろう